カバーボーイ、プロローグ「ハヤト」


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ハヤトさんはやや小柄な男性という印象。
これまで仕事の傍ら、人権運動をしている非当事者の方を、当事者として案内してきた。

笑顔がとても人懐っこく、表情豊かなので思わずひきつけられてしまう。
年齢は三十代後半。実年齢よりも7〜8歳若く見える。
それをご本人に伝えると「昔女の子だったからねぇ〜」と笑顔で答えてくれた。
FTMは、思春期に男性ホルモンが出ていなかった影響で
肌のきめが細かかったりして若く見えることが多いそうだ。
そこで初めて、ハヤトさんがトランスであるとわかった。

ハヤトさんは完全にパスしているといっていいだろう。
少なくとも、アジドラスタッフ三人は誰もハヤトさんをFTMTGだとは思わなかった。
ハヤトさんは上のセリフからもわかるとおり、ややオネエ言葉気味なのだが
女らしいという感じはしない。
むしろゲイ男性と似た雰囲気を感じた。

そんなハヤトさんにライフストーリを伺った。

■ 気づいたのは三十をすぎてから

ハヤトさんが自分のことに気づいたのは、30才を過ぎてからだった。
それまでのハヤトさんは、女性として生活し、男性と結婚生活を送っていたという。
しかし、結婚数年後から、ハヤトさんは自分の本当の性に気づきはじめる。
・・・そして離婚。

ハヤトさんはカウンセリングに通い始め、ガイドラインに従った治療を開始する。
「よく笑われるのー」
気づいたのが遅かったことについて、ハヤトさんは言う。
確かに、インターネットや情報が増えている現在であれば中学生、高校生などの早いうちに「トランスかも」と気づくことができる。
しかし、今から20年ほど前の日本の状況であれば、自分が性同一性障害であることについて気づかないことも十分ありえたと思う。
たとえ、30歳を過ぎてからだとしても、ハヤトさんが自分のことに気づけたことはとても幸せだったと思う。

■ 胸の手術
数年間のカウンセリングを通じて、ハヤトさんは徐々に男としての生活を始める。
見た目は男性。
しかし、声はまだ女性。
そこで、職場での電話応対で「さっきの女の人」と言われたりすると職場の人が混乱するという現象がおきた。

ハヤトさんは、医師らの検討を受けた上でホルモン治療を始めることになった。
ホルモンの影響で声は低くなったものの、まだ胸はあった。
そのため、男性の更衣室で着替えをしづらいという状況が発生・・・

「もう〜生きにくくてねー」

ハヤトさんは埼玉医大で乳房除去手術を受けた。
それで上半身は完全に男性のカラダとなった。

ハヤトさんにお願いして胸を見せてもらった。
オペしたと知っていても、何の違和感もない、がっしりとした平らな胸。
現在の乳房除去手術の技術の高さを感じた。もっとも、ハヤトさんはもともと胸がとても小さかったのと、手術がとてもうまく行ったという幸運が重なった稀なケースだそうだ。

■ 下半身の手術

完全なTSだと、胸オペの次は、男性器形成だ!となるのだろう。
けれど、ハヤトさんは違った。
「女性器は取りたい、けれと男性器をつけたくもない」
考えた末、ハヤトさんは下半身の手術は、ガイドラインに沿わず、独自に下半身の手術を受けることにした。 「埼玉とかでの手術は本当に全部変えたいトランスセクシュアルの人に受けて欲しいと思った」
今現在、日本国内でガイドラインに沿った治療ができる病院は限られており、手術も順番待ちしている状態。 そこで、男性器形成までは望まないハヤトさんは、とある外国で下半身の手術を受けることにした。
私はSRSというと、完全に男性器形成までするものという固定観念があったため、ハヤトさんの選択に目からうろこが落ちるような気持ちになった。
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